生きることと愛することの理由

日本に滞在してまだ間も無い頃、「仏陀の道」という素晴らしいテレビ番組を拝見しまし た。それは、1年間程かけて見せるドキュメンタリーシリーズで、一人の人間の記憶を保存する、場所と人間達を通しての旅でした。

ひとつのシーンが特に心に残っています。死を目前にした老人が、砂埃の立つ道にひざまづいています。時折、パゴダの建設石材を積んだ荷車が通ります。荷車が通る度に、道に溝を残しますが、荷車が遠のくや否や、老人は両手に砂をつかみながら駆け寄り、荷車の溝を砂で埋めるのです。老人は来る日も来る日も、同じ作業を続けるのでした。

プロジェクトの中で、私は、最初に足跡を取った子供の足を洗いました。そして、その子供は、彼に続いて足跡を取った子供の足を洗いました。このようにして、どの子も同じ行為を受け、他の子へとその行為を受け渡したのです。

 
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